脳腸相関とは?ストレスから解放される新しい解決策のカギを握るのはこれ!

腸活

ストレス社会。なんとも嫌な響きです。

生活をしていくうえで全くストレスを感じず生きてゆくことは可能でしょうか?

不可能。現状では不可能でしょう。

心や体に与える外部からの刺激によって、心や体に歪みが生じることをストレスと言います。

暑さ寒さなどの物理的刺激もしくは、人間関係、仕事、家庭上の問題などの社会的・心理的刺激によるストレスは、不可避ではないでしょうか。

適度の刺激によるストレスは、奮発材料としてよい働きをするのですが、過度なストレスによる症状は体の不調として現れてきます。

《体にでる症状》

・頭痛・めまい・自律神経失調症

・じんましん・アトピー性皮膚炎

・関節リウマチ

・過換気症候群

・肩こり・腰痛

・狭心症

・高血圧

・胃潰瘍、十二指腸潰瘍

・過敏性腸症候群

・肥満・糖尿病

・円形脱毛症

・月経困難症

・ED

《こころにでる症状》

・うつ病

・不安障害

・パニック障害

・社会不安障害

・心的外傷後ストレス障害

・適応障害

・不登校

・アルコール依存症

・薬物依存症

・摂食障害

・不眠

ストレス解消法

腸からのアプローチ

脳腸相関

腸は第2の脳と言われます。

生物でまず最初にできるのが腸。

ストレスを感じるとお腹が痛くなったり、お腹の調子が悪いと何となく気持ちが沈みがちになったりすることがよくありますが、これは私たちの脳と腸が密接につながっていることが関係しています。

生物の起源は海。太古の昔、単細胞だった生物は海水から栄養分を吸収するために風船のような丸い構造を作ります。この風船はやがてより効率的な管の構造へと進化を遂げます。これが生物が初めて獲得した内臓器官「腸」のはじまりです。そして、この腸を動かすために生まれた神経細胞が実は脳へと進化していったと言われています。

機能的に直接関係なさそうな二つの臓器(脳と腸)が互いに関係し合い、私たちの健康にさまざまな影響を与えることの理由のひとつは、このような発生機序に見ることができるのではないでしょうか。

私たちの体は、すべて脳の指令のもとにコントールされていると思いがちですが、腸は脳より先に生まれた器官であるため、腸は自分で考え、自分で動くことも、脳を通じて全身に指令を出すメッセージを送ることもできます。腸が「第二の脳」と呼ばれるのはこのような理由からです。

たとえば、腐ったものを食べた時に吐いたり、下痢を起こしたりするのは腸が自ら考え、危険を感じて動いた(指令を出した)結果に他なりません。また、脳でストレスを感じた時には便秘や下痢といった形で腸の動きが変化し、今度はそのことが脳に不安や緊張として影響を与えることになります。

このように脳と腸とが相互にメッセージを伝え合い、影響しあう関係を「脳腸相関」といい、現在最も熱い研究トピックスの一つになっています。

このような中、注目を集めているのが「脳腸相関」を通じてストレスを緩和する「C-23ガセリ菌」です。

過敏性腸症候群の病態においては、腸内フローラの異常、短鎖脂肪酸などの腸内環境の異常により、腸から脳への信号伝達に異常が生じているようです。消化管内腔の粘膜細胞に刺激が加わると、この信号は迷走神経下神経節を介して延髄孤束核へ、また、脊髄後根神経節を介して視床、皮質へ伝えられると考えられています。これが内臓知覚といわれるものです。この内臓知覚には消化管壁内に存在している内在性知覚ニューロンからの信号も関係していると考えられています。特に、この内在性知覚ニューロンの情報伝達にはセロトニン3受容体(5-HT3受容体)が関与していると考えられており、過敏性腸症候群の下痢型の治療薬として5-HT3受容体の拮抗薬が著効することが証明され、臨床応用されています。腸内細菌のなかで神経伝達物資であるγアミノ酸(GABA)を産生する菌があることも確認されています。この菌が少ない子どもは、行動異常、自閉症などになりやすいとされています。自閉症の子どもに対して腸内環境の改善による治療が試みられています。こういったCRF投与によるストレス負荷を受けた腸管では、平滑筋刺激による運動亢進だけでなく、腸内の細菌叢にも変化が生じるようです。脳内のストレスが腸管に何らかのシグナルを送り、細菌叢に働きかけているようです。ラットの実験ですが、CRFを注入する前にラットに水溶性食物繊維を前もって投与しておくと、この腸管運動亢進が抑制されることも見いだしています。つまり、様々なストレスに対して腸管内からのアプローチが可能になってきているのです。

腹が立つ、腹黒い、太っ腹、腹の探り合い、腹に一物あり……。

 腹(腸)と心(脳)の機微を表す言葉が実に多い。現代では、脳と腸の類似性や共通性はかなり解明されているが、先人たちは脳と腸がつながっていることを経験的に知っていたのだろうか。

脳腸相関の仕組みは至ってシンプルだ。胃腸が脳に向かって消化管の状態を知らせるシグナルを抹消神経に伝えると、脳の視床下部は胃腸に向かってシグナルを送り返して応答する。例えば、空腹時に胃から分泌され食欲を増進させるホルモンのグレリンだ。グレリンは、「空腹だから何か食べてよ!」というシグナルを迷走神経から脳の視床下部に伝える。シグナルを受け取った脳の視床下部は、摂食を促すホルモン、ニューロペプチドYを分泌し、「空腹なら何か食べてもいいよ!」と胃腸に食べ物を受け入れるように指令を出す。

 このように脳と腸は、自律神経、ホルモンやサイトカインなどの情報伝達物質を媒介にして、双方向の生体ネットワークを形づくっている。少し科学的にいえば、腸内細菌は、脳が関係する腸管刺激因子の刺激を調整したり、制御したりする重要な役割を果たしていることになる。

 腸内フローラは、自律神経や内分泌の働きにも深く関わり、体の恒常性(ホメスタシス)の維持に大いに役立っている。目には見えないが、私たちは脳腸相関という以心伝心のタッグチームがもたらす壮大な共存共栄の恩恵に浴している。腸内細菌と仲良く生きよう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました